らいぶにっき

行ったライブの備忘録です。記憶を辿って書いてるので内容は正確ではないです。

2019.12.19 折坂悠太(合奏)/カネコアヤノ@渋谷WWW X

このブログの最初の投稿から一年が経った。きっかけはもうあまりよく覚えていないのだけど、初めて折坂悠太のライブを江ノ島で観た日に、感じたことを残しておきたかったのが始めた理由だった気がする。ここ一年間だけでも色々あったけど、こうして好きな音楽に囲まれてライブを観ていられるのは幸せなことだなと思う。

 

◼︎折坂悠太

一曲目はさびしさ。終盤の盛り上がりのタイミングでやる「とっておきの曲」というイメージが強かったので贅沢な気分。この曲を楽しそうに歌う折坂さんを見るとなんだかとても安心する。

すごく個人的な話だけど、実は先週ものろしレコードのライブに行って折坂さんを観た。そしてその帰りに一緒に観に行った好きな人と悲しいことがあった。ライブに行く前は、悲しい思い出が蘇るかもなという不安があったけど、折坂さんの歌声を聴くとただただ幸せな気持ちが溢れ出して、上手く表現できないけど音楽はそういう自分の感情を超えたところにあるんだなと思った。

次の抱擁も身体がお風呂上がりみたいにぽかぽかした感じになる大好きな曲。そのまま浮かんで行ってしまうような気がするくらいの多幸感に包まれる。

MC。カネコさんとは以前にも二回くらい対バンをした。でも普段から連絡を取り合うわけではないから、こういう機会にだけ会って近況を報告し合う従姉妹のような存在。だから今日は親戚が集まる法事みたいなイメージだと笑 カネコさんと初めて会ったのは三鷹おんがくのじかんのイベント。終わった後に笹口騒音ハーモニカの笹口さんの家に泊まって夜通し語り合って、帰りの電車で「売れようね」と約束を交わした仲なのだとか。今日は心なしか折坂さん気負わずにリラックスした感じなのも、カネコさんとの関係性故なのかなーとか思う。

伴奏が始まり折坂さんが楽しそうに叫ぶと芍薬のイントロが。この曲が始まると途端に強風で会場の空気が全部入れ替わるようなとてつもないエネルギーが発生するのを感じる。更にその勢いをそのままに夜学。これも合奏ならではの力強さとかっこよさが大好きだ。

そして合奏形態で聴くのは初めての朝顔。美しいピアノの旋律と折坂さんの声が調和して、素晴らしい曲だなと心の底から思う。そしてその後の「光」もライブで聴くのは久しぶりな気がして嬉しい。折坂さんの曲の中でも他とは少し毛色が違うような、キラキラと光の粒が降り注ぐようなイメージで恍惚としてしまう。

演奏中にギターの弦が切れてしまったとのことでメンバーと何やら少し打ち合わせをする。そしてちょっと練習しててください、といってMCを始める折坂さん。こうしてライブで歌うのは、ちょっとクサイけどお客さんみんなに手紙を書いて送っているようなものだと。だからお客さんも僕に手紙を送ってください、と少し照れながら話していたのがよかった笑

そして次の曲は「あさま」。冒頭のドラムの音だけで一気に鳥肌が立ってしまうくらい大好きな曲。リラックスした表情で楽しそうに歌う折坂さん最高だ。何度も同じようなことを言っているけど、夜の渋谷の喧騒の中にいるはずなのに、晴れた山野にいるかのようか気分にさせられるのは本当にすごいし、「音楽」というものの次元を一つ越えているような気さえしてしまった。

 

▪️カネコアヤノ

大好きな歌手を続けて観られるという幸せを噛み締める。冒頭の二曲はこの前のワンマンと同じなんだけど、今日は歌い方がすごく可愛くて、かみつきたいでは手でポーズ取ったりしてた。

天使とスーパーカー、カウボーイと盛り上がる曲が続いてからのセゾン。この曲はどちらかというと落ち着いたイメージだったんだけど、今日のカネコさんの歌い方はとにかく激しくて、まるで違う曲を聴いているような気分になって面白かった。

あと今日特に心に沁みたのがさよーならあなた。CDでもなんども聴いている曲だけど、歌詞の感情がスーッと入ってきた。こういうことがあるからライブって良いんだよな。

恋しい日々、愛のままをを歌って「バイバイ!」と一言だけ吐き捨てるようにして帰っていくカネコさんカッコよすぎました。

 

アンコール。折坂さんとカネコさんが出てくるんだけど、本当にいとこのお兄さんとお姉さんという感じ。二人の少し照れたような笑顔が素敵だ。

出会った頃の二人はお互い斜に構えすぎていたという話。折坂さんは共演者をじっと睨んだように見つめてる感じでカネコさんは絶対話しかけられないと思っていたらしい。そしてカネコさんがインフルにかかった話も。めちゃくちゃ気をつけてうがいとかしてたのに、病は気からじゃないけど、逆に引き寄せちゃったのかもしれないね、と。「折坂さんもインフルは大丈夫ですか?」とか他愛もない話をしてるのが、本当に法事で会う親戚の会話みたいだ。

来年もまたどうなるか分からない、でも色々と厳しい時代だけどだからこそ、ということで、ラストはハラナツコさんを迎えて橋幸夫吉永小百合のいつでも夢を。朝ドラから飛び出してきたかのような爽やかさの二人。歌い方はそれぞれ独特だけどそれがぴったりと調和している。そしてこの曲を歌う時のカネコさんの声の透明感がはすごかったな。何とも安直な感想だけど、やっぱり歌って素敵だなと改めて思った一日でした。

 

▪️セットリスト

<折坂悠太>

01.さびしさ

02.抱擁

03.みーちゃん

04.芍薬

05.夜学

06.朝顔

07.口無し

08.光

09.あさま

10.逢引

<カネコアヤノ>

01.花ひらくまで

02.かみつきたい

03.天使とスーパーカー

04.カウボーイ

05.セゾン

06.朝になって夢からさめて

07.ごあいさつ

08.光の方へ

09.さよーならあなた

10.ぼくら花束みたいに寄り添って

11.恋しい日々

12.愛のままを

<折坂悠太・カネコアヤノ>

en.いつでも夢を

2019.12.04 カネコアヤノ@赤坂BRITZ

開演時間から20分ほど経ってメンバーが登場する。今回のツアーグッズにあったアルバムのジャケ写真が背中についた黒のロンT、カネコさんの着てる服はそれに銀色の線が入った特別なバージョン。そしてメンバーみんなで舞台の真ん中に集まって円陣的なことをするんだけど、何ともダラッとした感じなのがカッコいい。「花ひらくまで」のイントロの音が鳴ってスタート。

ライブのカネコアヤノの表情が本当に好きだ。時おり顔をしかめたり、すごく嬉しそうにしたり、一つ一つの顔がとにかく魅力的で可愛い。今日のセトリは「かみつきたい」「布と皮膚」とアルバムの曲順通りに進んでいく。大好きな歌詞を目の前で歌われるとCDで聴き慣れたはずの表現にもいちいちドキッとするから不思議だ。曲間でちびっこが「アヤノちゃーん!」と呼ぶ声が聴こえてそれに応えるカネコさん。最高に和む。

「天使とスーパーカー」「カウボーイ」「春」とキラーチューンが続く。歌い方が激しくなるにつれて会場のボルテージもどんどん上がっていくのが伝わってくる。たぶん生で聴くのは初めての「Home Alone」や詞の雰囲気が大好きな「セゾン」も良かったな。

その後もアルバムの曲が続くんだけど特に印象に残ったのは「光の方へ」。リリースからずっと燦々のアルバムをヘビロテしてたのもあるけど、身体がとろけそうなくらいの幸せで満たされる。わざわざここに歌詞を書くのは恥ずかしいけど「隙間からこぼれ落ちないようにするのは苦しいね だから光の方へ」って部分。シンプルだけど真理だなと思うし、日々本当に救われている。

ここにきて本日初めてのMC。ゆるーくて、ぶっきらぼうで、それでいて愛を感じる。「名古屋は本当にごめんなさい。何でお詫びを言ったらいいか。」と言った後に「歌で返します。」と。でもこんなことを言うのは良くないかも知れないけど、本当ごめんと謝りながらもカネコさんちょっと笑ってて「てへぺろ」って感じで、変に恐縮してなかったのが、嘘がない人柄が伝わってくるようで可愛かった笑

その後の「恋しい日々」ではお客さんのテンションが格段に上がっているのが分かって、やっぱみんな大好きな曲なんだなと嬉しくなる。「冷たいレモンと炭酸のやつ」の部分を自然発生的にみんなで歌うのも一体感があって好きだ。

アンコール。盛り上がる会場に「みんないいねー」と上機嫌のカネコさん。そしてメンバー二人がジャンケンをした結果、アンコールは「アーケード」になったとのこと。CDよりも激しい歌い方が最高にカッコいい。そして前も書いたけど歌詞に何度も出てくる「太陽」とか「光」って日々を強く楽しく生きるうえで本当に大事な要素だよなぁと最近強く思う。そういえばカネコさんは今日のアンコールのMCでも「晴れましたね」と嬉しそうに話していた。そうやって些細なことを一つずつ掬い上げて、ちゃんと感動したり喜んだりできるのって素敵な力だ。今の自分にはまだ少し眩しすぎるかも知れないけど、もっともっとそんな風に光の方へ向かっていけたらいいなと思った。

 

◼︎セットリスト

01.花ひらくまで

02.かみつきたい

03.布と皮膚

04.天使とスーパーカー

05.カウボーイ

06.春

07.Home Alone

08.セゾン

09.リボンのてほどき

10.ごめんね

11.朝になって夢からさめて

12.車窓より

13.きみをしりたい

14.明け方

15.ごあいさつ

16.光の方へ

17.さよーならあなた

18.グレープフルーツ

19.ぼくら花束みたいに寄り添って

20.恋しい日々

21.愛のままを

22.燦々

en.アーケード

2019.11.02 カネコアヤノ@日藝大ホール

3月に下北沢のAlternativeフェスで初めて観たカネコアヤノ。その後「愛のままを」の7inchを買ったり、パンダ音楽祭でまたライブを観て魅了されたり、最近は「燦々」のLPを買って聴いたりしていたが、単独のライブを観に行くのは今日が初めて。

最近、特に「燦々」のリリース以降はカネコアヤノの曲をずっと聴いている。今まで音楽を聴く時に常に歌詞を意識するということはなかったのだけど、この人の曲は歌詞を伝えるために歌があるような気がして心に残る。そしてその一つ一つの言葉がとても素敵で、自分にとって日々の生活を豊かにしてくれる「お守り」みたいになっている。

 

江古田という場所は今住んでる場所からはとても近いようで、でも今まで一度も行ったことがなかった。代官山や南青山もそうだが、ライブは普段行かない場所に行くきっかけになるという意味でも楽しいものだったりする。そして今日は学園祭でのライブ。大学を卒業してから、母校の学園祭に一度足を運んだきりだったので、大学生の若々しさとパワーを見せつけられて、自分も歳をとったなとしみじみしてしまう。

 

開演。大きな舞台にはギターと椅子と譜面台があるのみで、そこに黒いドレスを着たカネコさんが登場する。靴を履いていなくて裸足なのも余計なものがないシンプルな美しさが際立つようで素敵だ。一曲目は燦々の初めの曲でもある「花ひらくまで」。CDよりも力強い歌声と表現が心にずんと響く。

本当はここからライブレポを書いていくのだけど、今日のライブを観て思ったことは一つ。カネコアヤノのライブは「歌と詞」が全てで、あえて何かの情報を加える必要がない。それをただただカネコさんが全力で表現して伝えてくれる場所なのだ。でも、だからこそ大好きな曲はもちろん、CDを聴いていた時にはあまり意識していなかった曲の歌詞のフレーズまで、光の粒みたいにキラキラと際立って届いてきて、あぁやっぱりこの人の表現が好きだなと改めて感じた。

これだけだともうライブのメモでもなんでもなくなってしまうのでアンコールの様子を。椅子に座ったカネコさんが譜面台を見ながら渋い顔をすると、それが可愛くて笑いが起こる。独り言のように「どうしよう何やろっかな」と呟くと会場から「マジックペン!」と声が上がり「できない」と一蹴される笑 「じゃあ一曲だけ。燦々という曲をやります。」

燦々はここ数週間、大袈裟じゃなく毎日聴いている曲。カネコさんの曲には「太陽」というフレーズがよく出てくる気がするのだけど、人間は単純な生き物で、陽の光があるかどうかだけで一日の気分が大きく変わったりする。でもだからこそ日々「燦々とした気持ち」でいたいなと思う。そして力強く綺麗なカネコさんの「美しいよ僕らは」という言葉には説得力があって、自分ももう少しだけ強く生きてみようかなと思ったのだった。

 

◼︎セットリスト

01.花ひらくまで

02.カウボーイ

03.光の方へ

04.エメラルド

05.ゆくえ

06.朝になって夢からさめて

07.ポップなおんな

08.春

09.かみつきたい

10.グレープフルーツ

11.アーケード

en.燦々

2019.10.22 折坂悠太のツーと言えばカー2019@名古屋ちぐさ座

ライブの遠征に行くときはどれだけ弾丸でもその土地の美味しいものを食べたくなる。今回の遠征でもそうだ。でも地元民の行きつけみたいなお店を知っているわけではないので、結局行くのは有名どころになる。今日のお昼ご飯は駅前のエスカの中の矢場とん。お昼時は店前にズラッと行列ができているのに、それを上回る圧倒的な回転率でお店が回っていて、列に並んでから5分後にはもう席について、美味しそうな揚げたてのトンカツに味噌ダレをかけてもらっていた。日本で一番豪華なファストフードじゃないかと思う。

 

ちぐさ座へ。ツアーののぼりが立つ入り口。少し大きな公民館といった感じの控えめな雰囲気だ。でも入り口には開場を待つ人の列が続いている。誰かのライブに行く度に思うのだが、アーティストの雰囲気とファンの人の雰囲気には何となく共通点がある気がする。やっぱり何か共鳴する部分のある人たちが集まっているから、どことなく性質が似てくるのかなーなどと考える。開場。ちぐさ座はステージをぐるっと囲むように席が配置されているのがすごく特徴的。真ん中にはギターと椅子と譜面台。シンプルだけどそれ故の美しさを感じる。そういえばシンプルで余計なものが削ぎ落とされているからこその美しさ、というのはさっき感じた折坂さんと、そのファンの人たちに共通する要素の一つかも知れない。

 

開演。折坂さんが登場して深々とお辞儀をする。円を囲むような舞台、見え方は違うけど、席によって値段が違うわけでもないから、どこを向いて歌おうかとか色々考えたというお話。そして位置によっては後ろ姿で語るような形になるかも知れないですと。こうして事前に断ってくれる丁寧さと優しさが好きだ。そして全方向を向いてそれぞれお辞儀をして折坂さんがはける。

 

折坂さんと青葉さんによるツアーのタイトルコールのあと青葉市子さんが登場。薄いピンク色のドレスがとっても素敵。今日のお昼は折坂さんとブラジルコーヒーに行って、折坂さんはB定食、青葉さんはアジフライ定食を食べた。だから今日はお昼に吸収したアジフライのパワーで歌う、というようなお話をして、本編へ。青葉さんのライブを観るのは初めてだったが、口を開いて声が発せられた瞬間に、その美しく心地よい高音の虜になる。青葉さんの歌声は一音一音が宝物みたいで、波のように広がって天に昇っていくようなイメージで、自分の持っていた「音楽」というものの概念が180度クルッと回転して変わるような衝撃を受けた。

青葉さんの歌は言葉でありながら「音」としての純度みたいなものがとても高いような気がして、自分が今までに聴いたありとあらゆる音の中で一番美しいように思った。こんな体験は初めてだけど、曲が終わった後に同じ空間で「拍手」という形で音を立てるのも憚られるような気分だった。自分が知らなかっただけで、こういうジャンルの音楽って他にもあるのだろうか。だとしても、ものすごい世界への扉を開けてしまったなという感動に打ちひしがれていた。

前半はハミングのような歌が多かった印象だが、後半では「音」だけでなく歌詞が「言葉」として届いてくるような変化を感じて、青葉さんの歌い方もさっきまでと変わっているような気がした。思えば折坂さんの曲も、風景がまざまざと目に浮かぶような曲と、歌詞がすごく印象に残る曲があるなーと気付き、この二人はそういった歌に何かを付け加える特殊能力の持ち主なんじゃないか?なんて思ってしまった。そして青葉さんの師匠にあたる方のカバーだという「機械仕掛乃宇宙」という曲。哀しげだけどどこか希望を感じるような曲調と歌詞が印象的で良かったな。

 

休憩を挟んで折坂さんの出番。一曲目は「櫂」。当然だけど青葉さんとはまた違った声の響き方だ!と思う。でも自然とか、土地の空気感とか、そういうところから得たパワーが歌になっている部分は共通しているような気がする。そしてこれも主観でしかないけど、青葉さんの歌のイメージが「宇宙」とか「天」なら折坂さんは「草原」とか「風」だなと思う。気持ちよく髪を揺らす風のような歌声が心地よい。あと、個人的に大きな違いに思えたのが、折坂さんの歌には観客の拍手がとてもよく馴染むということ。実体を捉えて的確に表現するのは僕には難しいし、お客さんそれぞれ感じ方は違うと思うけど、二人の声や曲にはやっぱり大きな違いがあって、そのどちらもがとても愛おしい。

MC。青葉さんと行ったブラジルコーヒーの話。サラリーマンのおじさんが何人か座ってコーヒーを飲んでいた。折坂さんが「美味しい!」と思って飲んでいるコーヒーもおじさん達は別に美味しいとも思わずに飲んでいるのだろうと思い、でもそんなコーヒーみたいな音楽をやりたい、というような話だった。そういえば、今日のライブも非日常という意味では「ハレ」の日なんだけど、大袈裟に飾り立てられているわけではなく、あくまでも日常と地続きに馴染んでいるなと思う。ワーッと盛り上がる非日常的な興奮も楽しいけど、生活の流れの中にあってじわじわとワクワクするようなライブも素敵だなと改めて感じた。そして、butajiさんとの共作の「トーチ」。文脈が変わると意味が変わっていく、言葉の面白さを感じる歌詞が良かったな。

折坂さんは自分で歌を作っているというより、何かに歌わされているような、そんな気分になる時があるという話。今回のツアーで、岡山に行った時にらい病の歴史館を訪れたが、そこの展示にあった歌詞を見て、おこがましいかも知れないけど、自分の歌と同じだと思った、という話からの「さびしさ」。でも僕はこの曲はすごく前向きな曲だと思うのだ。もちろん歌詞もそうだけど、明るく希望を感じさせるような曲調と折坂さんの声が、歌詞を前向きな形で昇華している。「言葉」と「音」が調和しているからこそ、ぐっと胸を打たれるような気分になるのかも知れない、などと考えながら聴いていた。

 

アンコールでは折坂さんと青葉さんでセッションをする。二人の声は全く違う良さがあると感じていたけれど「みーちゃん」でお互いの声が調和していくのは素晴らしかった。以前、青葉さんは渋谷のライブの帰りに、全力疾走で終電を目指す折坂さんを見つけた。ギターケースのポケットから百合の花束が覗いていて、どこを見るわけでもないけれど何かを見据えているような折坂さんの目がとても綺麗だった。本日最後の曲はそんな情景を歌にした「百合の巣」という曲。青葉さんの情景の描写がとても具体的で「折坂悠太」という人の性格とか人柄がにじみ出てくるすごく面白い曲だった。

 

明日は普通に仕事だから新幹線で帰る。でもやっぱり夜ご飯は名古屋で食べたいから、大急ぎで名古屋駅の味仙に向かって台湾ラーメンを食べてから帰ることにした。あんなにゆったりした素敵な空間でライブを見て色々思うことがあったのに、自分の欲張りな性格は全く変わらないのが悲しい。日常と非日常の境は曖昧で、一つの出来事で何かがガラッと大きく変わることはないけれど、でも見たり感じたりしたことは、少しずつ日々の生活に良い影響を与えてくれるんじゃないかとも思う。次に名古屋に行くときは、地元の美味しいお店でアジフライ定食を食べたいな。

2019.09.02 戸川純avecおおくぼけい@渋谷LOFTHEAVEN

01.吹けば飛ぶよな男だが

一曲目からジーンと沁み渡る曲。最近ライブであんまりやってなかった気がするから、久しぶりに聴けて嬉しい。純ちゃんの素直な歌声に優しく包まれる。


02.バージンブルース

この二曲がセットで聴けただけでもう元が取れたんじゃないかと思うくらい幸せな気持ちになる!!ジャジーな雰囲気がたまらなく格好良い。


「今日は前半は定番の曲が多いけど、後半は普段やらない珍しい曲をやります」

「流れをここで説明するんですね笑」

「お客さんがびっくりしないように。でも次の曲も初めてやる時みたいな気持ちでやりたいですね。」

「はい、そうですね笑」


03.諦念プシガンガ

04.王様の牢屋

05.愛の讃歌

06.サントワマミー

MC少なめでこのユニットでは定番のシャンソンを一気に歌い上げる純ちゃん。怒涛の力強さを感じる「愛の讃歌」からの可愛らしい「サントワマミー」の落差がいいんだよなー。


07.夏の思い出

今回の季節の曲は残暑ということで「夏の思い出」。純ちゃんの子供のような可愛い声は童謡と素晴らしくマッチする。

 

MC。ロフトヘブンの1周年を記念しておおくぼさんのお父さんが家で作る「おおくぼ家のカレー」を提供しているという話に。

「すごいですよね。ロフトヘブンさんはおおくぼさんのお父さんのレシピをどうやって知ったんですか?」

「いや、私が父のレシピを提供したんですよ!笑」

「どんな特長が?」

「豆腐がメインの具になってて、麻婆豆腐カレーバージョンみたいな」

「美味しそう!ただ私はさっきすき家を食べてしまって。。こう見えて少食なんですよ。でも身体がフラフラしないようにライブの3時間前に何かを食べるようにしてるから、ご飯少なめで食べて、あとライブの前にバナナを一本食べるとお腹に力が入るんです。だからカレーは入らないかも、、」

すき家を食べたせいでカレーが食べられなくて本当に残念そうにしてる純ちゃんが可愛すぎた笑 あとカレーにはけい様の写真が載った旗が立っているらしい。「けい様ファンの方。旗付きのカレーを片手にライブを見るのも良いんじゃないでしょうか。」


そして次の曲は本当に久しぶりにやる曲。昭和に出したヤプーズの1st.に入ってる曲だけど、最近は全然やってないから、なんでけい様が知ってるのか不思議がる純ちゃん。LOFT HEAVENにちなんでということで、けい様がリクエストした「Daddy the heaven」。


08.Daddy the heaven

ヤプーズ計画のライブ映像でしか観たことなかったけど純ちゃんの可愛らしい声とおおくぼさんの優しい伴奏に夢見心地にさせられる。


09.本能の少女

歌い終わってはける前に何か言いたげな純ちゃん。

「けい様の華麗な演奏の後に言うのもなんですが、、ライブ終わったあとも1時間くらいお店空いてるらしいので、おおくぼ家のカレーはそこで食べたほうが良いかもよ。熱いしお皿。」

なぜかカレーを食べる時間の忠告を残して去るのが面白かったです笑笑


-休憩-


10.リボンの騎士

純ちゃん曰くおおくぼけいのテーマ。

このユニットでしか聴けないし短いけど一気に盛り上がるから大好きな曲。


「おおくぼさんは王子様感がありますよね」

「そうですか?笑」

真珠子さんの絵でも王子様だし。白タイツ履いて。」

「今度白タイツ履いてやりましょうか?笑」

「(お客さんの拍手)」

「これやらなきゃいけないやつだ…」

「でも普通王子様ってピアノ弾かないですよね?」

「そ、そうですね。」

「刀とか持ってるイメージだけど。ま、文武両道ということで。」

 

11.クレオパトラの涙


次はジュリー全盛期の頃のカバーで、東京と宮崎で1回ずつだけやった曲。純ちゃんは初めて聞いた時に有名な洋楽のパクリじゃん!って思ったけど、日本語で歌いたいからこのバージョンでやるとのこと。


「このユニットでは今日限りの、、」

「え、今日限りなんですか?」

「あ、他でもやる?そしたらやってみて評判が良かったらやりましょう。男言葉の部分を女言葉に変えて歌います。」


12.あなたがパラダイス


次の曲は宮村優子さんに提供した曲で、おおくぼさんの強いリクエストがあってやることになった。「港のヨーコヨコハマヨコスカ」みたいに語りが多くて、歌はちょっとだけだからバンドでやるとつまんないってメンバーに言われてしまい、一回だけやって封印していたらしい。


「好き好き大好きの続きみたいな曲です。あ、好き好き大好きを知らない人もいるか。『愛してるって言わなきゃ殺す』っていう歌詞の曲があるんですよ。それで頑なに愛してるって言わなかったからこうなってしまったんでしょうか。」


13.女性的な、あまりに女性的な

純ちゃんの提供曲の中でも群を抜いて大好きな曲!ヤプーズのライブでやらないかなーと期待してたんだけど、まさかこのユニットで聴けるとは微塵も思ってなかったから歓喜だった!!!宮村さんのVer.よりも重々しい感じでサスペンス感増してるのもすごく良かった。そして最後の「それまで頑張らなくちゃ」が「あー頑張んなきゃなー」って感じのテンションだったのが面白かった笑


14.肉屋のように


-アンコール-

en1.プリシラ

en2.さよならを教えて


アンコールは夢のような気分に包まれるプリシラと大人っぽいアレンジがカッコよくて大好きなさよならを教えてプリシラのラストでスッと立ち上がる純ちゃん最高だった。。


GW以来で久しぶりの戸川純avecおおくぼけいだったけど、大好きな曲がてんこ盛り過ぎて全部夢だったんじゃないかと思うくらい幸せなライブだった!MCでの二人の掛け合いも絶妙で楽しいんだよなー笑

そして明日もここLOFT HEAVENのおおくぼさんの企画に行く。挫・人間との対バン以降一気にハマって、ここのところずーっと曲を聴きまくってたオーケンとおおくぼさんのコラボだから本当に楽しみだー!

2019.08.17 ヤプーズの不審な行動「令和元年」@渋谷クラブクアトロ

壮大な出囃子の音とともにメンバーが登場。ナンバーが書いてある銀色のプレートがそれぞれの胸に付いていて、今日は紛れもなくヤプーズのライブなんだという実感に包まれる。「こんばんは。私たちはヤプーズです。」という純ちゃんの声に沸き立つ会場。そしてヤプーズのテーマのイントロが!!

01.テーマ

一発目はやっぱりテーマ!みんなヤプーズの再始動を心待ちにしてたんだろうなっていうのが伝わってくる熱量で一気に盛り上がる!!

MC。今まで昭和の終わり、20世紀の終わり、と純ちゃんの活動の節目と世の中の節目が偶然重なって、それぞれ昭和享年、20thとアルバムを出してきたが、活動40周年となる今年はちょうど平成から令和への移り変わりの年。そして、これを見越していたかのように、生前BERAさんがこのバンドでアルバムを出したいと言っていたから、ヤプーズを復活させてレコーディングライブをやることにした。ただ、アルバムをライブで収録してるのにレコ発ライブをやるのは変だから多分やらないし、ヤプーズ自体今日限りという可能性もある。そして今日は、普段の戸川純名義でもヤプーズの曲はやるから戸川純名義の曲もやるけど、ヤプーズ多めという嬉しい宣言が!

 

02.ヴィールス

 

うさくみゃバッグは背負ってると歌いにくいから譜面台にかけておく笑。そして一つ謝らなければならないことがあると申し訳なさそうに切り出す純ちゃん。ヤプーズの新曲をライブでやるという話をしていたけど、今日には間に合わなくて別で収録して入れることにしたらしい。(そんなに謝らなくて大丈夫だよー!と思う)。そして、そのお詫びとして今日はレコーディング以来披露してない曲をやってくれるとのこと!!そのうちの一つは二部にやるのだけど、純ちゃんが少し精神的におかしくなっていた頃に書いた曲で、そのうえ言霊のように歌詞の内容が本当に起こっていってしまって、禍々しくてそれ以来やっていなかった曲(なんとなく察しがついてテンションが上がる…!!)

そして次の曲は燃えてしまった宮崎のニューレトロクラブで二番の歌詞を新たに書いた曲。「前にロフトでもやったけど、、」みたいなことを言ってたけど、歌詞が変わったの知らなかったし、変わってから聞くのは初めての「ヒト科」!「インディーズで出したからyoutubeとかでわざわざ探し出して聴いてくれた人じゃないと知らないと思うけど、、」と前置きを付けてたけどたぶんみんな知ってますよ!!

 

03.ヒト科

「歌詞なんて聴き取れなかったと思うけど、二番の歌詞をわかりやすくしたんです」といって説明してくれる純ちゃん。「ヒトは知能だけで動物の頂点に立ったんじゃないんだ、って。じゃあなんなんだと。ヒトは業や煩悩が動物の頂点に立つほどあるんだよということです」。サラッと話してたけどすごく深い内容だよなーと思う。

次の曲はポエトリーリーディングだけど、後ろで流れてる曲は実は中原さん作曲だった。もう別に歌詞も書いてたのに、知らないうちにボツになってここで使われることになってしまった。「上手くできたらCDに入るかも知れません。羽に虫と書いて羽虫です。こんな小ちゃい虫ね。」

 

04.羽虫

「クーラー」とか「20世紀のように」とか純ちゃんの朗読曲は意外と沢山あるけど、ライブで朗読をじっくりと聞く機会はほとんどないからすごく嬉しい!

 

MC。久しぶりに来たお客さん向けに一部二部構成になることとか、今の体調の説明をする。ただ「痩せる」みたいな言葉が純ちゃんから出た時に酔った観客から「痩せろー」という野次が飛んできた。するとそれに反応して徐に話し始める純ちゃん。怪我の後、ロフトで女王蜂と対バンした時に「何も食べなきゃ痩せられる」と意気込んで体重をかなり絞った。そしたら体重は落ちたけど、ライブの前から身体はフラフラで声も思うように出ず、アンコールでは倒れる寸前までいってしまったらしい。「そこで私は声と体調を取ったんです。この歳になって好きな人のために痩せようっていうのもないし。でも顔が張ってるせいか全然皺がないの!風船みたいな感じで、痩せたら皺まみれになっちゃうかも」。するとさっきの観客が取ってつけたように「きれいー!」と野次を入れるんだけど「それはないよー笑」と一蹴する。正直この観客の軽率な発言には、はらわたが煮えくりかえるような思いだったけど、そんなことよりも、それを一笑に付してしまえるだけの純ちゃんの確固たる意志と選択の話にただ圧倒された。そしてそのロフトのライブの後に純ちゃんが「声と体調を取る」という選択をしてくれたこと。本当に良かったと切に思う。今日、この会場にいた純ちゃんのファンの人はみんな同じように思ったんじゃないかな。

 

05.ロリータ108号

「この曲は平成じゃないからアルバムには入りません。でも、だからといって手は抜くとかはないです」的なことを言う純ちゃん笑 そしてバースデイでしか聴けないこの曲を普通にやってくれるのも「あぁヤプーズのライブなんだな」というのを感じてすごく良かった。マイムっぽい動きがめちゃくちゃ可愛い…!!

告知。この後も各地でこのメンバーでライブをやるけど、名義をヤプーズにしようか迷っているという話。40周年をヤプーズでやろうと思ったのが遅くて、既に戸川純名義で告知を打っちゃったから難しいかもしれないらしい。ただ、大阪の公演はもしかしたらヤプーズ名義にするかも。その理由の一つとして「一応収録もしておいて今日がダメだった時の予備として使えるようにしたりして笑」と話してたのが、なんとも純ちゃんらしくて好きだ。

 

06.赤い花の満開の下

メリィさんがアコーディオンを抱えて、純ちゃんが「鈴を持ってこようと思ったんだけどやめました」みたいなMCを挟んで赤い花の満開の下!ヤプーズの曲の中でも全てを包み込むような優しさに溢れてて大好きな曲。ラストのメリィさんと純ちゃんの「何日君再来」のコーラスも良かったなー。

 

07.諦念プシガンガ

メリィさんのアコーディオンにのせていつもよりアップテンポで歌う諦念プシガンガ。大好きな日清パワーステーションのライブの時と同じだー!!!と思い恍惚としてしまう笑 この早いテンポのバージョン本当に好きです!!

 

08.シアーラバーズ

「これもヒト科と一緒に入ってて知ってる人は少ないと思いますが」という前置きをして「シアーラバーズ」!純ちゃんはCD-Yのファンの間での認知度を見くびりすぎだと思う笑(いぬん堂さんから再発されてるしね!)

 

09.12歳の旗

最初の台詞を言うのをためらう純ちゃん。「うーん、、だって初潮の曲だし、、今夜は赤飯だぁー!!」と急に覚悟を決めるのが良かった笑

 

10.フリートーキング

一部の最後はやっぱりこれ!純ちゃんが立ち上がって目をギョロッとさせるんだけどあの顔本当に好きでテンションMAXになってしまう!最後「べーだ!べーだ!」っていう85年のパン蛹化っぽいパフォーマンスやってたのも上がりました!

 

-休憩-

 

11.肉屋のように

 

今日はヤプーズだから、少しでもいつもと違うようにしようと工夫して、出囃子を流したりしたけど、ナンバープレートもその一つ。これはプノンペンモデルのドラマーのハリーさんが作ってくれたという話。拍手が起きると「その拍手はハリーさんに」という純ちゃん。「じゃ、赤い戦車を。」

 

12.赤い戦車

13.君の代

ラブソングなのに「昭和も遠くになりにけり されど金色のオーラ放ちてやまん」という部分を平成天皇のことだと思われて、左翼のファンから分厚いファンレターが届いたりした。でも逆に右翼の人からも左翼の人からも好きと言われることがあって、どっちからも石投げられる可能性ある気がして怖い。「思想的な背景とか全くないですから!」と声を大にしていう純ちゃん。そしてこの曲には指揮が合うから、昔は後ろを向いて指揮をしてたけど「みんな演奏してるから下向いて私の指揮なんか見てない。でも振りだけはやります。」と言って、大げさに指揮の振りをするのが最高だった!!そしてこの曲も「平成も遠くなりにけり されど」と令和バージョンにアップデートされていた!

 

14.12階の一番奥

「12歳の」と間違って紹介してしまい、12という数字好きだなという話に。あとこの曲は大人なムードだからレコーディングではわざと子供っぽい声で歌ってたけど、もう大人になったし大人な雰囲気で歌うようにしてきた。ところが、ここにきてなぜか一周回って子供っぽい声になってきた。純ちゃんとしてはわざとやってるわけじゃないから、言うのも初めてだけどお客さんが拍手してくれたのが嬉しい、といって喜んでて可愛かった笑

 

15.いじめ

16.蛹化の女

今までに純ちゃんのライブで幾度となく聴いてきた曲だけど、今日の蛹化の女はひたすらに沁みた。優しい歌声で精神が浄化されていくのを感じる。

 

17.私の中の他人

この曲をライブで聴くの超久しぶりな気がする。最初の入りの音程を間違えたらしく、一回止めてやり直したんだけど、メリィさんがピアノで音を鳴らして音程教えてあげてたら「そんな分かりやすく教えてくれなくても自分で取れるもん!!」ってちょっと拗ねてた笑 純ちゃんの曲の中でも感情の起伏が激しくて大好きな曲。最後の「逃げて」が良いんだよなー。

 

18.あたしもうぢき駄目になる

冒頭に予告のあった、禍々しくてレコーディング以来やって来なかった曲。でも曲名を言うと歓声が起こって、純ちゃんすごいびっくりした顔してた笑 確かに攻撃的で病んだ歌詞かも知れないけど、最後には救いがあって、決して絶望的な曲じゃないと思うんだよなー。一時期純ちゃんが対バンする時にメンバーがイントロでこの曲を演奏してたことがあったけど、歌詞があるVer.が聴けて本当に幸せだった。

 

19.母子受精

「禍々しすぎてこのまま次の曲に行けない」ということで急遽母子受精をやることに!楽しげで綺麗なメロディの曲だけど「そういうお祓い的な要素ある曲なのか?」とちょっと冷静に考えてしまって一人で可笑しくなってた笑確かにイメージ的に「死」より「生」に近いっていう意味で効果はあったかも知れないけど!

 

「ここからは激し目の曲が続きます、でも今日はヤプーズだからバージンブルースとかはやらないけどね!」といって、観客が「えー」と不満の声を上げそうになるや否や「バーッジン!!」と一言大声で叫ぶ!「これでやったことにしてください」としれっとかわしてたのが最高にカッコよかったです笑

 

20.バーバラセクサロイド

ヤプーズといえばもうこれがないと絶対締まらない!!そして前に純ちゃんが「男性がこの振り付けをするのはちょっと、、」って言ってたのに、横でメリィさんが演奏中にナチュラルに踊ってて萌えた笑

 

21.好き好き大好き

次の曲は平成どころか昭和のソロの曲だけど、令和になったしボーナストラックとして収録する予定の曲。「まさか時代を3つも跨ぐとは思わなかった」と言って好き好き大好き!「オレモー」のコールしてる人もいたりしてもう最高に楽しかった!!

 

22.レーダーマン

そして最後はレーダーマン!CDの不審な行動のレーダーマンが大好きだったけど、令和にヤプーズのライブで聴けるなんて、少し前まで考えても見なかったから感極まってしまう。

 

en.パンク蛹化の女

アンコールはパンク蛹化の女。そしてここに来て一気に超激しいモッシュが起こる!!!純ちゃんが昔「ヤプーズのライブはお客さんがステージに上がって来ようとするから、マイクスタンドで突っついてステージから落としながら歌ってた」みたいな話をしてたけど、ついにその激しさの片鱗が感じられた気がした!!

 

終演後はここ何年かで知り合ったフォロワーさん何人かとお話しする。数年前の自分には純ちゃん好きな知り合いの人が周りにいなかったから、短い時間でも皆で共有した非日常的な空間についてお話しできるのがすごく楽しかった(変なテンションで絡んでごめんなさい笑)。

ヤプーズの復活というお祭り的な浮かれ気分と、途中のMCでドーンと心を打たれたのと、久しぶりに聴く曲、初めての曲のオンパレードと、で記憶も感情もごちゃ混ぜだけど、とにかく自分にとって純ちゃんのライブは本当に他にはない大切な時間なのだと思わせられる日だった。でもヤプーズのライブだから、いつもとメンバーは同じだけど初めて純ちゃんのライブを観た時のような新鮮な気持ちもあって面白かったなー。純ちゃんは「今日限りかも」とも言ってたけど、また絶対ヤプーズのライブやって欲しいです!!

2019.08.03 折坂悠太@代官山晴れたら空に豆まいて

梅雨が終わっていきなり夏本番になった。うだるような暑さだけど、太陽の光を浴びていると不思議と幸せな気分になってくるからこの季節は意外と好きだ。のろしレコードのライブに行くのは今日で二回目。そして代官山の「晴れたら空に豆まいて」は名前を聞いたことはあるけど行くのは初めて。以前に真っ黒毛ぼっくすのライブのゲストに純ちゃんが出た時に行った「青山月見ル君想フ」の系列店らしい(確かに名前の系統が似ている)。代官山の駅を降りるとあまりにもお洒落な空間が広がっていて驚く。自分の知ってる街で例えると下北沢や自由が丘に近い気がするが、ゴミゴミとした感じが全くなくて洗練されている。ライブでもない限りは来られない街だなと思いつつあっという間に目的地に到着した。店内は沖縄居酒屋のような内装で美味しそうなカレーの匂いがする。月見ル君想フもそうだけど他のライブハウスとは一線を画したコンセプトがあるのを感じる。キンミヤ割のカルピスサワーを飲みながら開演を待った。

 

今日は悪魔のいけにえを迎えたスタイルで左からやくさん、松井さん、折坂さんが並ぶ。一曲目は「のろし」(※8/3追記※のろしではなく「旗」でした)。悪魔のいけにえのメンバーには折坂さんのライブでもお馴染みのハラナツコさんが。また、やくさんは昨日ほとんど寝ていないそうで「どんどん弱っていく僕を見てください」とのこと笑

前回もそうだったが昼間から観るライブというのは贅沢感がある。そして今日は一人一曲ずつ交代で歌っていく方式で「3人合わせてのろしレコードだ」という感じなのがとても良い。折坂さんは「道」を歌うのだが、始まる前にやくさんが「F5でいいんだっけ?」と何度も確認していた笑 今日はメンバーで沢山練習したけど、逆に沢山練習しすぎて緊張しているとのことで、松井さんの声にも緊張感が出ているらしい笑 皆で数曲を歌い終えて一旦はける。

 

晴れ豆には客席後方の少し高くなった所の左右にお座敷みたいなスペースがあり、二部はそこに折坂さんと松井さん、そしてステージにやくさんが立ち、三ヶ所でそれぞれ弾き語りを演奏するという斬新なスタイル。一曲終わって次の人にライトが当たるたびに客席の皆がイスの向きを変える。やくさんの出番、ギターがすごくカッコ良くて引き込まれる。そして折坂さんの「茜」はキネマ倶楽部のワンマンで大好きになった曲。会場全体に風が吹き込むような心地良さに包まれた。月9主題歌の「朝顔」と思われる曲(撮り溜めた録画をまだ一度も見れていない…)も素晴らしく、幸せな気分で二部が終了。

 

続いて第三部ではまた悪魔のいけにえが登場する。折坂悠太(合奏)ではあまりやらない気がする「よるべ」が聴けたのが嬉しい。そして松井さんからのろしレコードでアルバムを出すことになったという告知が!発売時期は「大体秋頃笑」とざっくりしているがすごく楽しみだー!録音も控えており、明後日からはメンバーで山梨に合宿に行くことも決まっているらしい。そしてアルバムに収録予定の新曲を初披露する!折坂さんの作った曲らしく「コールドスリープであの星まで」みたいな歌詞が印象に残った。アンコールを挟んで最後の曲は「のろし」。やくさん、松井さん、折坂さん、皆それぞれ特徴的な声だけど共通する心地良さみたいなものがあってすごく良い。アルバムの発売に合わせてまたライブをやって欲しいなーと思う。(その前に折坂さんのツアーで見られるのかな?)