らいぶにっき

行ったライブの備忘録です。記憶を辿って書いてるので内容は正確ではないです。

2019.08.17 ヤプーズの不審な行動「令和元年」@渋谷クラブクアトロ

壮大な出囃子の音とともにメンバーが登場。ナンバーが書いてある銀色のプレートがそれぞれの胸に付いていて、今日は紛れもなくヤプーズのライブなんだという実感に包まれる。「こんばんは。私たちはヤプーズです。」という純ちゃんの声に沸き立つ会場。そしてヤプーズのテーマのイントロが!!

01.テーマ

一発目はやっぱりテーマ!みんなヤプーズの再始動を心待ちにしてたんだろうなっていうのが伝わってくる熱量で一気に盛り上がる!!

MC。今まで昭和の終わり、20世紀の終わり、と純ちゃんの活動の節目と世の中の節目が偶然重なって、それぞれ昭和享年、20thとアルバムを出してきたが、活動40周年となる今年はちょうど平成から令和への移り変わりの年。そして、これを見越していたかのように、生前BERAさんがこのバンドでアルバムを出したいと言っていたから、ヤプーズを復活させてレコーディングライブをやることにした。ただ、アルバムをライブで収録してるのにレコ発ライブをやるのは変だから多分やらないし、ヤプーズ自体今日限りという可能性もある。そして今日は、普段の戸川純名義でもヤプーズの曲はやるから戸川純名義の曲もやるけど、ヤプーズ多めという嬉しい宣言が!

 

02.ヴィールス

 

うさくみゃバッグは背負ってると歌いにくいから譜面台にかけておく笑。そして一つ謝らなければならないことがあると申し訳なさそうに切り出す純ちゃん。ヤプーズの新曲をライブでやるという話をしていたけど、今日には間に合わなくて別で収録して入れることにしたらしい。(そんなに謝らなくて大丈夫だよー!と思う)。そして、そのお詫びとして今日はレコーディング以来披露してない曲をやってくれるとのこと!!そのうちの一つは二部にやるのだけど、純ちゃんが少し精神的におかしくなっていた頃に書いた曲で、そのうえ言霊のように歌詞の内容が本当に起こっていってしまって、禍々しくてそれ以来やっていなかった曲(なんとなく察しがついてテンションが上がる…!!)

そして次の曲は燃えてしまった宮崎のニューレトロクラブで二番の歌詞を新たに書いた曲。「前にロフトでもやったけど、、」みたいなことを言ってたけど、歌詞が変わったの知らなかったし、変わってから聞くのは初めての「ヒト科」!「インディーズで出したからyoutubeとかでわざわざ探し出して聴いてくれた人じゃないと知らないと思うけど、、」と前置きを付けてたけどたぶんみんな知ってますよ!!

 

03.ヒト科

「歌詞なんて聴き取れなかったと思うけど、二番の歌詞をわかりやすくしたんです」といって説明してくれる純ちゃん。「ヒトは知能だけで動物の頂点に立ったんじゃないんだ、って。じゃあなんなんだと。ヒトは業や煩悩が動物の頂点に立つほどあるんだよということです」。サラッと話してたけどすごく深い内容だよなーと思う。

次の曲はポエトリーリーディングだけど、後ろで流れてる曲は実は中原さん作曲だった。もう別に歌詞も書いてたのに、知らないうちにボツになってここで使われることになってしまった。「上手くできたらCDに入るかも知れません。羽に虫と書いて羽虫です。こんな小ちゃい虫ね。」

 

04.羽虫

「クーラー」とか「20世紀のように」とか純ちゃんの朗読曲は意外と沢山あるけど、ライブで朗読をじっくりと聞く機会はほとんどないからすごく嬉しい!

 

MC。久しぶりに来たお客さん向けに一部二部構成になることとか、今の体調の説明をする。ただ「痩せる」みたいな言葉が純ちゃんから出た時に酔った観客から「痩せろー」という野次が飛んできた。するとそれに反応して徐に話し始める純ちゃん。怪我の後、ロフトで女王蜂と対バンした時に「何も食べなきゃ痩せられる」と意気込んで体重をかなり絞った。そしたら体重は落ちたけど、ライブの前から身体はフラフラで声も思うように出ず、アンコールでは倒れる寸前までいってしまったらしい。「そこで私は声と体調を取ったんです。この歳になって好きな人のために痩せようっていうのもないし。でも顔が張ってるせいか全然皺がないの!風船みたいな感じで、痩せたら皺まみれになっちゃうかも」。するとさっきの観客が取ってつけたように「きれいー!」と野次を入れるんだけど「それはないよー笑」と一蹴する。正直この観客の軽率な発言には、はらわたが煮えくりかえるような思いだったけど、そんなことよりも、それを一笑に付してしまえるだけの純ちゃんの確固たる意志と選択の話にただ圧倒された。そしてそのロフトのライブの後に純ちゃんが「声と体調を取る」という選択をしてくれたこと。本当に良かったと切に思う。今日、この会場にいた純ちゃんのファンの人はみんな同じように思ったんじゃないかな。

 

05.ロリータ108号

「この曲は平成じゃないからアルバムには入りません。でも、だからといって手は抜くとかはないです」的なことを言う純ちゃん笑 そしてバースデイでしか聴けないこの曲を普通にやってくれるのも「あぁヤプーズのライブなんだな」というのを感じてすごく良かった。マイムっぽい動きがめちゃくちゃ可愛い…!!

告知。この後も各地でこのメンバーでライブをやるけど、名義をヤプーズにしようか迷っているという話。40周年をヤプーズでやろうと思ったのが遅くて、既に戸川純名義で告知を打っちゃったから難しいかもしれないらしい。ただ、大阪の公演はもしかしたらヤプーズ名義にするかも。その理由の一つとして「一応収録もしておいて今日がダメだった時の予備として使えるようにしたりして笑」と話してたのが、なんとも純ちゃんらしくて好きだ。

 

06.赤い花の満開の下

メリィさんがアコーディオンを抱えて、純ちゃんが「鈴を持ってこようと思ったんだけどやめました」みたいなMCを挟んで赤い花の満開の下!ヤプーズの曲の中でも全てを包み込むような優しさに溢れてて大好きな曲。ラストのメリィさんと純ちゃんの「何日君再来」のコーラスも良かったなー。

 

07.諦念プシガンガ

メリィさんのアコーディオンにのせていつもよりアップテンポで歌う諦念プシガンガ。大好きな日清パワーステーションのライブの時と同じだー!!!と思い恍惚としてしまう笑 この早いテンポのバージョン本当に好きです!!

 

08.シアーラバーズ

「これもヒト科と一緒に入ってて知ってる人は少ないと思いますが」という前置きをして「シアーラバーズ」!純ちゃんはCD-Yのファンの間での認知度を見くびりすぎだと思う笑(いぬん堂さんから再発されてるしね!)

 

09.12歳の旗

最初の台詞を言うのをためらう純ちゃん。「うーん、、だって初潮の曲だし、、今夜は赤飯だぁー!!」と急に覚悟を決めるのが良かった笑

 

10.フリートーキング

一部の最後はやっぱりこれ!純ちゃんが立ち上がって目をギョロッとさせるんだけどあの顔本当に好きでテンションMAXになってしまう!最後「べーだ!べーだ!」っていう85年のパン蛹化っぽいパフォーマンスやってたのも上がりました!

 

-休憩-

 

11.肉屋のように

 

今日はヤプーズだから、少しでもいつもと違うようにしようと工夫して、出囃子を流したりしたけど、ナンバープレートもその一つ。これはプノンペンモデルのドラマーのハリーさんが作ってくれたという話。拍手が起きると「その拍手はハリーさんに」という純ちゃん。「じゃ、赤い戦車を。」

 

12.赤い戦車

13.君の代

ラブソングなのに「昭和も遠くになりにけり されど金色のオーラ放ちてやまん」という部分を平成天皇のことだと思われて、左翼のファンから分厚いファンレターが届いたりした。でも逆に右翼の人からも左翼の人からも好きと言われることがあって、どっちからも石投げられる可能性ある気がして怖い。「思想的な背景とか全くないですから!」と声を大にしていう純ちゃん。そしてこの曲には指揮が合うから、昔は後ろを向いて指揮をしてたけど「みんな演奏してるから下向いて私の指揮なんか見てない。でも振りだけはやります。」と言って、大げさに指揮の振りをするのが最高だった!!そしてこの曲も「平成も遠くなりにけり されど」と令和バージョンにアップデートされていた!

 

14.12階の一番奥

「12歳の」と間違って紹介してしまい、12という数字好きだなという話に。あとこの曲は大人なムードだからレコーディングではわざと子供っぽい声で歌ってたけど、もう大人になったし大人な雰囲気で歌うようにしてきた。ところが、ここにきてなぜか一周回って子供っぽい声になってきた。純ちゃんとしてはわざとやってるわけじゃないから、言うのも初めてだけどお客さんが拍手してくれたのが嬉しい、といって喜んでて可愛かった笑

 

15.いじめ

16.蛹化の女

今までに純ちゃんのライブで幾度となく聴いてきた曲だけど、今日の蛹化の女はひたすらに沁みた。優しい歌声で精神が浄化されていくのを感じる。

 

17.私の中の他人

この曲をライブで聴くの超久しぶりな気がする。最初の入りの音程を間違えたらしく、一回止めてやり直したんだけど、メリィさんがピアノで音を鳴らして音程教えてあげてたら「そんな分かりやすく教えてくれなくても自分で取れるもん!!」ってちょっと拗ねてた笑 純ちゃんの曲の中でも感情の起伏が激しくて大好きな曲。最後の「逃げて」が良いんだよなー。

 

18.あたしもうぢき駄目になる

冒頭に予告のあった、禍々しくてレコーディング以来やって来なかった曲。でも曲名を言うと歓声が起こって、純ちゃんすごいびっくりした顔してた笑 確かに攻撃的で病んだ歌詞かも知れないけど、最後には救いがあって、決して絶望的な曲じゃないと思うんだよなー。一時期純ちゃんが対バンする時にメンバーがイントロでこの曲を演奏してたことがあったけど、歌詞があるVer.が聴けて本当に幸せだった。

 

19.母子受精

「禍々しすぎてこのまま次の曲に行けない」ということで急遽母子受精をやることに!楽しげで綺麗なメロディの曲だけど「そういうお祓い的な要素ある曲なのか?」とちょっと冷静に考えてしまって一人で可笑しくなってた笑確かにイメージ的に「死」より「生」に近いっていう意味で効果はあったかも知れないけど!

 

「ここからは激し目の曲が続きます、でも今日はヤプーズだからバージンブルースとかはやらないけどね!」といって、観客が「えー」と不満の声を上げそうになるや否や「バーッジン!!」と一言大声で叫ぶ!「これでやったことにしてください」としれっとかわしてたのが最高にカッコよかったです笑

 

20.バーバラセクサロイド

ヤプーズといえばもうこれがないと絶対締まらない!!そして前に純ちゃんが「男性がこの振り付けをするのはちょっと、、」って言ってたのに、横でメリィさんが演奏中にナチュラルに踊ってて萌えた笑

 

21.好き好き大好き

次の曲は平成どころか昭和のソロの曲だけど、令和になったしボーナストラックとして収録する予定の曲。「まさか時代を3つも跨ぐとは思わなかった」と言って好き好き大好き!「オレモー」のコールしてる人もいたりしてもう最高に楽しかった!!

 

22.レーダーマン

そして最後はレーダーマン!CDの不審な行動のレーダーマンが大好きだったけど、令和にヤプーズのライブで聴けるなんて、少し前まで考えても見なかったから感極まってしまう。

 

en.パンク蛹化の女

アンコールはパンク蛹化の女。そしてここに来て一気に超激しいモッシュが起こる!!!純ちゃんが昔「ヤプーズのライブはお客さんがステージに上がって来ようとするから、マイクスタンドで突っついてステージから落としながら歌ってた」みたいな話をしてたけど、ついにその激しさの片鱗が感じられた気がした!!

 

終演後はここ何年かで知り合ったフォロワーさん何人かとお話しする。数年前の自分には純ちゃん好きな知り合いの人が周りにいなかったから、短い時間でも皆で共有した非日常的な空間についてお話しできるのがすごく楽しかった(変なテンションで絡んでごめんなさい笑)。

ヤプーズの復活というお祭り的な浮かれ気分と、途中のMCでドーンと心を打たれたのと、久しぶりに聴く曲、初めての曲のオンパレードと、で記憶も感情もごちゃ混ぜだけど、とにかく自分にとって純ちゃんのライブは本当に他にはない大切な時間なのだと思わせられる日だった。でもヤプーズのライブだから、いつもとメンバーは同じだけど初めて純ちゃんのライブを観た時のような新鮮な気持ちもあって面白かったなー。純ちゃんは「今日限りかも」とも言ってたけど、また絶対ヤプーズのライブやって欲しいです!!