らいぶにっき

行ったライブの備忘録です。記憶を辿って書いてるので内容は正確ではないです。

2019.04.13 折坂悠太(合奏)@下北沢440

学生の頃は大学から近かったこともあり下北沢に寄ってスープカレーを食べたり、服を買いに行ったりしていたが、最近は行くことも少なくなっていた。そのせいか駅に着くと様子がすっかり変わっていて驚く。駅のそばの狭い路地に並んでいた良い雰囲気の飲み屋も全て跡形もなく消え去っていて少し寂しい気分になった。

440は戸川純がゲストで出演したトリコミのライブで何度か訪れており、比較的少人数で椅子に座ってゆったり見られるからお気に入りの会場。ここに最後に来たのは後藤まりこのライブの時だと記憶していたが、調べると実に5年前で月日の流れの速さを感じてしまう。

 

先行は折坂さん。出てきて早々に深々と頭を下げてお辞儀をするのが印象的。グレーのネックシャツの上に緑色のシャツを着ている。

 

01.暗闇坂むささび変化

今日のライブは合奏形態だが、まずは一人で出てきて弾き語りで「暗闇坂むささび変化」。先日のAlternativeフェスのリハで演奏したのを見てから、はっぴいえんどの音源を繰り返し聴いていたので個人的にとても嬉しいカバー。折坂さんが足をトントンさせてリズムを取るのだけど、小さい会場だからその振動が伝わってくるのも良い。「ももんがーっ」という声が気持ちよく響き渡った。

 

続いて合奏メンバーを呼ぶものの、なかなか登場せず「おーい、仕事だぞー」と呼び寄せる笑

 

02.坂道

今まで弾き語りのライブしか見てこなかったこともあり、何度も何度も聴いた音源に忠実な演奏に素直に感動。当然だが、ギター一本とはまた違った音の広がりがあって楽しい。

 

03.逢引

折坂さんがギターを持たずに歌うというのがとても新鮮。そして迫ってくるような演奏の力強さと折坂さんの声が相まって、とてつもない高揚感におそわれる。この曲の持つパワーは計り知れないと再認識させられる。

 

04.丑の刻ごうごう

05.抱擁

抱擁は春をイメージして作った曲。元々4月のリリースを予定していたらしいが、無理を言って3月の終わりに配信したという話。この曲のゆったりした雰囲気は合奏があることによって何倍にも映える気がして幸せに包まれる。

 

06.櫂

合奏メンバーの演奏を見ているとこんなにも色々な楽器や音の表現が用いられていたのだと驚く。ペットボトルのラベルを剥がす音なども入っていて、レコーディングの風景が垣間見えるようで面白かった。

 

07.take 13

今まであまり注目せずに聞き流していたが、こちらもすごく色々な音で構成された曲なのだと感じた。折坂さんはラジオのザッピングの音を響かせるのだけど、もはや「ラジオを演奏している」という感じで、ラジオも楽器の一部なのかもしれないと思ってしまう。

 

08.さびしさ

「産み落とされたさびしさ」という感情をきちんと理解するのは自分にとってはまだ難しい。ただこの世に産まれた以上付きまとう「死」への恐れとか、自分の生きている理由といったものに真摯に向き合おうとした時に、救いになってくれる曲なのではと感じる。そして改めて詞の表現の美しさにも気付かされた。

 

折坂さんは最近よく悪夢を見るらしい。この間は月が落ちてくるという夢を見て、3日間で月が何倍にも大きく見えるほど接近していて、直に地球にぶつかってしまうというものだった。今の自分の生活とどうリンクしているのかを考えると、元号も時代も変わっていく中で、今後は月に乗り移って生活するような変化があるのだろうという話。そして5月からはこの曲をどうするか考えないといけないですね、と笑う。

 

09.平成

「幸おれたちに多くあれ」という歌詞が胸に響く。新しい元号が発表されてから、漠然と認識していた一つの時代の終わりが急に現実味を帯びてきたように思う。この曲も平成という時代とともに来月には「現在」から「過去」のものになるというのは少し寂しい。でも、それと同時に曲に新たな価値が付与されるのが楽しみでもある。

 

10.旋毛からつま先

 

続いて馬喰町バンドの出番。民族的な曲調に日本的な表現が組み込まれているのがシュールで今までに聴いたことないなと思う。MCが終始「元号」についてだったのも面白かった。

 

アンコールでは折坂さんが再度登場する。馬喰町バンドは折坂さんと数年前に440で一緒にやったが、リハで歌った「安里屋ユンタ」を聴いて当時から「絶対売れるよね」と話していたらしい。馬喰町バンドの曲を全員で歌った後、固い握手をして終演。

今日はお昼のライブだったので外に出るとまだ明るい。休日のこの時間帯にゆったりとライブを見て、まだ色々と行動できるというのはとても幸せだ。レコードストアデイということもあり、ゆっくりとレコードを散策して帰ることにした。